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作者:
2898673wbn
時間:
2014-6-17 17:28
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「では、いきますね」 トルテが厳(おごそ)かに告げ、ナルニエと繋いでいないほうの手を空中高く跳ね上げた。その腕先で紋様を描くようにして徐々に目線の高さまで下げ、胸の前で魔導の印を切る。そしておもむろに腕を大樹に向けて差し伸ばした。
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http://www.markenlogik.com 大樹の幹から濃厚な魔力(マナ)の風が吹き出し、トルテやリューナたちの髪をなびかせる。トルテの腕先から生じた魔導の虹に導かれ、風は一方向へ流れはじめた。流れは徐々に集(つど)って大樹の太い幹を中心とした帯状の渦巻きとなり、虹の輝きが複雑な紋様を織り成してゆく。ふいにまばゆい光が視界を圧した。絢爛(けんらん)に咲き開いた花火のごとく、巨大な魔法陣となって一気に展開したのだ。クロックス サンダル 背後で、安堵したような気配を残し、ハイラプラスの魔法が消失した。最後に、いってらっしゃい、という穏やかな声が耳に届いたような気がする。
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「……次元の扉が開かれるとき、ありとあらゆる音が鳴り響くといいます。ちょうど可聴領域の音が、そのように感じられる音域と音階をもっているのでしょうね。魔法王国の頃より伝わっている魔導の歌も、そのようなものなのかも知れません。リューナ、心の準備はいいですか?」
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呼びかけに応じて駆け寄ってきたナルニエがちいさな手を差し出し、トルテの手に繋がれる。まるで歳の離れた姉妹のように思える光景だった。
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その言葉に、リューナは慌てて気を引き締めた。幻精界というものがもし、この現生界と同じほどの規模があるのだとすれば、非常に困ったことになるだろう。世界は広いのだ。
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魔法陣の中心でまばゆく光り輝いていた樹幹は透けるようにその輪郭をなくし、内部に匿(かくま)われていた空間が花弁のように咲き開いていった。不思議な音はますます高まり、リューナたちのからだと心を包み込んでゆく。
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「心を澄ませて、故郷である幻精界のことを想ってください。リューナ、ピュイ、あたしが扉を開いたら遅れずについてきてくださいね。他のことは考えず、あたしたちと同じ場所に行き着くように、とだけ心に念じてください。もしはぐれてしまったら、取り返しのつかないことになりますから」
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「なんだ……この音色は」 代わって聞こえてきたのは、森羅万象を奏でたように滔々(とうとう)と流れる荘厳な音楽だった。甘美であり涼(すず)やかでもある不思議な旋律。早春の草原(くさはら)を吹き渡る風がたてる幽(かそ)けき音の束(たば)のようであり、氷の湖上を吹き抜ける凛とした音の集大成のようでもある。
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