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」「……化け物」「そんなにか

「……教えて」 やり方を教わろうと迫るレフが、ずずいとコウににじり寄る。表情は何時もと変わらないのに眼だけ爛々としていて怖いとは若手メンバーな魔術士ディスの弁。「ヴォヴァヴォヴォヴァ」"ちょっとまってね" このままでは教え難いという事で少年型召喚獣を召喚したコウは、複合体を出したまま身体だけ乗り換えた。すかさず抱っこしようと駆けつけるカレンだったが、レフに『……こっちが大事』と阻止された。 とりあえず、コウは以前レフから手取り足取り魔術の使い方を教えて貰った時のように、手取り足取り"精霊の癒し"のやり方を教える。「コウちゃんのだっこ……」「後にしろカレン。どうだレフ、使えそうか?」「……興味深い」 "精霊の癒し"は術と呼ぶにはかなり原始的な、精霊が魔力から直接引き起こす"現象"に近いモノである事が分かった。 注ぎ込まれる魔力量が圧倒的に違うので朔耶がやって見せた程の効果は得られないが、通常の治癒術より高い効果は望めそうだという。攻撃術士のレフでも治癒術士並の治癒力が得られそうとの事。 コウが視認した魔力の流れに関する証言により、朔耶の空中浮遊術についても凡その見当がついた。どうやら魔法障壁の強力なモノらしい。魔法障壁の膜を何重にも張り出しながら、術者ごと魔力の塊として持ち上げているのだ。「……あれは、ありえない」 謂わば先ほどコウが複合体で見せた"精霊の癒し"の模倣で、両の掌を向かい合わせた間に光の玉として魔力の塊を浮かべたように、自身を包む魔法障壁によってその身体を浮かべ運んでいる。「そいつはまた、えらく膨大な魔力を使ってるって事か」「……原理は分かっても、真似は出来ない」 ちなみに、雷撃や癒しの光を放つ時に展開している漆黒の翼だが、ただの飾りに近いとレフは読む。あれも装飾魔術と言うより精霊の引き起こす現象的なモノで、術の発現する起点が翼であるかのように見せ掛けたフェイクである可能性を指摘する。 恐らく翼を出していなくても空中に浮けるし、雷撃も精霊の癒しも行使出来る筈だ、と。「ふむ――敵に回しちゃイカンって事か」 そんな存在が味方で現れて何よりだと肩を竦めるガウィーク達。願わくば、"凶星の魔王"がそんなレベルの化け物でない事を祈るばかりであった。 一方その頃、本部宮殿の大会議場にて魔王トゥラサリーニから新たな地位を賜ったマズロッドが、今後の作戦指揮を任せられるにあたり、魔王の方針について御伺いなど立てていた。「うーん、その辺は君が上手く考えてよ。宮殿の人事をやってくれたみたいにさ」 現在、本部宮殿では数十人の元職員や使用人が奴隷として働かされている。前組織で経験の深いマズロッドが人事編成を行い、宮殿内の体制を整えた事で細かい作業やら各種指示を出すにあたって、情報伝達面もかなり改善された。 おかげで湯浴みの準備や食事の用意なども遅れる事無く進むようになり、トゥラサリーニはその点でマズロッドの事を高く買っている。「将軍より宰相の方がいいかもしれないね、事が落ち着いて人員が揃ったら昇格してあげるよ」「は、勿体無きお言葉で」 面倒な事は全てマズロッドに丸投げしたトゥラサリーニは、今日も一日"支配の呪根"に繋がって精神労働をしたので疲れたと言って欠伸をすると、明日に備えて睡眠に入る事を告げた。 魔王の間になっている大会議場を後にしたマズロッドは、部下と廊下を歩きながら角を曲がった所で悪態をつく。「全くなんだアレは、ただの阿呆ではないかっ 何が凶星の魔王だ!」「団長――いや、将軍。誰かに聞かれちゃ不味いですぜ」「我々の他に魔物と魔獣と奴隷しか居ないこんな廃墟で、誰が聞き耳など立てているものかっ」 急に呼び戻されたので何事かと思えば、マズロッドに将軍の地位を授けるという。魔王軍でただ一人の将軍だ。勿論、魔王軍という組織はまだ正式に作られてもいない。 討伐隊に当てていた魔物の軍勢も呼び戻されており、命令に従うようにしておくので好きなのを部下に選べと言われた時は耳を疑った。そんな理由で討伐隊の包囲を解いてどうすると憤懣やるかたない様子のマズロッド。「遥々(はるばる)エイオアまでやって来た当てが外れやしたかね?」「……しかし、奴(アレ)が魔物を操れる事は確かだ」 魔王による国の乗っ取り所か、本部宮殿内も殆ど無人で基本的な組織運営すらされていなかった事には驚きや呆れを通り越して寧ろ戦慄した。トゥラサリーニは魔物を操るという強大な力を持って、この国を圧倒していただけなのだ。「だが――見方を変えれば、運が向いて来たと言えるのかもしれん」 支配もへったくれもない、純粋な力による戦略無き征服によって混沌とした白紙状態にあるのが、現在のドラグーン。まだ名も無き魔王国の首都となる街。なればこそ、自分の政治手腕を駆使してこの国を理想郷に作り上げる事だって出来るかもしれない。「とにかく法と人材だ。軍事力は魔物共を使って維持できるから、国家を運営する人材が必要だ」「今来てる討伐隊はどうするんです?」「殲滅するのは簡単だが、引き込める者は引き込みたい。もう一度街に突入して来た所を包囲して降伏を呼び掛ける」 将来の大国化に想いを巡らせるマズロッドは、連れてきた部下も使って政務機関構築の骨子作りなどに励むのだった。http://www.longchamp.smqcw.net「程々に、か……。具体的には?」「治癒は任せて。あと効くかどうか分からないけど、"呪い祓い"を使ってみるわ」 効果があれば、魔物から一時的にでも集合意識による支配を解除できる術があるという。魔物の軍勢はそれだけでも脅威だが、魔王軍は"魔王による支配統率"があるからこそ、一国の首都を制圧してしまう程の脅威となりえたのだ。 魔王の支配統率を一時的にでも妨害できれば、烏合の衆とまではいかなくとも、討伐の難易度は下がるだろう。ドルチェ&ガッバーナ 時計「その"呪い祓い"って術がどれ程のモノかは分からんが、治癒が出来るなら有り難い」「ちっとばかし治癒術士の手が足りてなかったからな」 帝国の討伐隊は国軍兵士で編制されている事もあってか魔術士の数が少なく、グランダールの討伐隊に参加している各傭兵団や冒険者グループも攻撃力を重視したメンバーで来ている為、思いのほか治癒系の術士が少なかった。 とりあえず、今夜はアルメッセからの応援を待って野営で過ごし、捕虜にしている魔王側の人間や魔王軍に与しようとしていた者を引き渡して身軽になってから再度進軍を試みる方針で進める。グッチ 財布 レディース
「どうだった?」「……化け物」「そんなにか?」 ガウィークの問い掛けに人間では有り得ない程の魔力に包まれていたと告げるレフ。朔耶の使った治癒術や空中浮遊の術も、放出している魔力の量が多過ぎて詳細は掴めなかったそうな。 すると、コウが複合体の両手を合わせた間に光の玉を浮かべて見せながら言った。「ヴォヴァヴァヴォウ?」"こんな感じだったよ?" 先程の朔耶が使った治癒術、"精霊の癒し"を再現してみせるコウ。魔力を視覚的に捉える事が出来るコウは、あらゆる術の発現による魔力の流れを把握して模倣する事が出来る。色々な魔術を短期間で覚えられるのも、その特性のお陰だ。ヴィヴィアンネックレス
76話:黒き翼を持つ者
 魔王軍による夜襲に備えて篝火を焚き直したり、簡易バリケードの構築が進められている野営陣地では、グランダールと帝国の討伐隊から数人の代表者が集まり、今後の行動についての話し合いが進められていた。 この席で、統制の取れた魔物の軍はとても厄介だという事を知っている"都築朔耶"は、慎重に行く事をお勧めする意見を出した。 討伐隊に飛び入り参加となる彼女については当初、魔物鳥を雷撃で叩き落して空から現れるというあまりに人間離れした派手な登場の仕方もあってか懐疑的な反応を示す者もいた。vivienne westwood バッグ
「オッケー、それじゃあ一発"精霊の癒し"をお試しサービスしてから一旦帰るわね」 今回、討伐隊の危機を知って取る物も取り敢えず駆けつけたという朔耶は、明日の朝にでもまた改めて来ると言って魔力のオーラを纏いながら漆黒の翼を生やした。一瞬、うおっと後ずさる討伐隊の面々。 翼から放たれた"癒しの光"が野営陣地内に広がっていき、光を浴びた者の傷はもとより疲労さえも癒される。「こいつは……すごいな」「これが精霊術士の治癒か」ドルガバ 財布
 だが、コウの味方宣言にカレンの信頼できる人選定眼でのお墨付きもあり、ガウィーク達からも『彼女は精霊術士で、東方のオルドリア大陸にいる精霊術士達は今回の魔王の出現を予言していたらしい』という"凶星の魔王問題"に"都築朔耶"が絡む理由の説明を受けて概ね納得されている。「慎重に行くべきという意見には同意するが、我々もあまり余裕は無いんだ。ノンビリ構えてもいられない」「食料だとか物資の問題もあるからな。集合意識は永久浄化地帯で凌げるが、篭城する訳にもいかねぇ」ロンシャン トート
「帝国から来た連中もそうだろうけど、俺達は功績を残して名を上げる事が目的で集まってるのが殆どなんだ」「嬢ちゃんの言うようにすりゃあ確かに安全確実だけどよ? それだと俺達の武勲ってのが立てられねーのよ」 「あー――そういう事……コウ君も手柄とか立てたいの?」「ヴァウヴァウヴォウ?」"なにそれおいしいの?" 話を振られたコウが理想的なボケをかましてみせると、朔耶はにっこり微笑んだ。「分かった。じゃあ討伐隊が手柄を立てられるようにしながら安全に進む方向で、程々に協力するよ」ロンシャン トート
「魔導船とか使えるようになったら、その辺り全部解決するんでしょ?」 もうすぐ凶星の影響による魔力の乱れが治まるので、味方の魔導製品全般が使えるようになる。それまで待ってから進撃すれば安全且つ確実と主張する朔耶。それは確かに尤(もっと)もな意見ではあったが、朔耶の主張には一つ大事な要素が欠けていた。「え、手柄?」 『なにそれ美味しいの?』と言わんばかりの反応を見せた朔耶に、『ああ、やっぱりか』と納得するガウィーク達。雰囲気からして名声や栄誉といったモノに興味がなさそうな人柄を感じていたが、やはりそういう人種だったかと朔耶の在り方を把握する。ドルガバ
 治癒に関しては神聖術士の使う治癒術が高い効果を持つ事で知られるが、朔耶の見せた"精霊の癒し"による治癒効果はその比ではなく、ここまで何でもかんでも癒してしまうような強力な治癒術はちょっと見た事がない。「じゃあまた明日」 ひらひらっと手を振った朔耶がその気配や魔力と共に唐突に消えた。朔耶の事情を知るコウ曰く、世界を渡ったらしい。 感嘆とも安堵ともつかない溜め息が零れる中、先程から愛用の杖を手にこちらの様子を窺っていたレフがやって来た。魔力の流れを制御する呪法の杖だけあって、凶星の影響にも直ぐ対応した"流動の御手"にて朔耶という存在を解析していたのだ。vivienne westwood 財布
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