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妙な気になってくるだろーが」「妙って

 ルカの後頭部ギリギリをプラナの開いた扉の端がかすめていき、思わずといった体(てい)でルカがメルキオレルの胸にしがみついてきた。 これは予期せぬハプニングだ。 KY台風娘、今回ばかりはグッジョブ。 余程プラナの登場(の勢い)に驚いたのか、メルキオレルにしがみついているという自覚の無いままルカは話をしている。プラナに指摘されると、握った拳の関節でメルキオレルの鳩尾(みぞおち)をえぐるように突き飛ばしてきた。 完全にノーガードだったメルキオレルは、内臓に響くダメージを受けた。ferragamo 財布
被害者Mの献身(24)
 ほどなくして船室へと顔を見せたルカは、船内を巡ったからか表情が和らいでおり、気分転換をはかれたようだった。 だが室内にいるメルキオレルと目が合った瞬間、盛大な嫌悪感をあらわに、メルキオレルの黒い欲をくすぐる表情でもって、引きつった悲鳴を上げてくる。 だから、これ以上欲を煽るな ―― と、メルキオレルは理不尽な悪態を胸中で漏らしながら、溜息を吐いた。 ルカはメルキオレルが同室であることを理解できないと言うより、理解したくないという勢いで動揺を続けいる。メルキオレルはしばらく傍観していた。ビビアンウエストウッド
 そのうちに、危機的状況で慌てふためく小動物を見ている気分になった。無性に愛らしくて、構い倒したくなる気持ちが湧き上がってくる。 これ以上見ていては自分の首を絞めるだけだ。そう判断したメルキオレは、早々に部屋へ引き上げようとソファを立った。 だが扉のノブに手を掛けた時点で、メルキオレルの聴力や第六感が、台風の到来を察知した。 ルカは未だ部屋に入ってきた状態のまま、扉の前で突っ立っている。このままでは台風の襲来で、内開きの扉と共にフッ飛ばされるだろう。marc by marc jacobs 時計
 注意を呼びかけるつもりでいたが、ルカから発せられる敵意に欲が煽られ、自然と足が獲物に近付いて行く。「な、なに……?」 間近で見下ろすと、青ざめた顔をしながらも敵意を向けてくるルカに、口元が緩みそうになった。 それを見られないようルカの腰を自分に引き寄せて、いかにもな理由を呟く。「危ねェから」「へ?」 ルカが素っ頓狂な声を上げると同時に、扉が内側に勢い良く開かれ、メルキオレルの察知した台風が乗り込んできた。「メイ、遊びに来たよ~!」「わァッ!?」vivienne westwood 時計
 薄紅色の淡い生地を重ねた夜会ドレスに身を包んだルカは、プラナがまだ迎えに来ていないことを確認すると、顔を真っ赤にさせて部屋へ引き上げようとする。 どうやらメイの扮装をしているとはいえ、舞踏会の一件や今回の事と言い、こういう恰好は恥ずかしいらしい。 だが、膝が見える高さから背後にかけて緩く段差の付いたスカートは、うるさくない程のパニエでふんわりとした広がりを見せ、歩くたびにフワフワ揺れて、見ているだけで心が和む。 ルィスエンデルン号に乗り込んだ時は、真っ白で清楚な服に身を包んだルカを見て、そんな深窓の令嬢的な格好も似合っていると思ったが、今の姿もまた格別だった。フェラガモ靴
「小首をかしげて聞くな」 無駄に可愛いから。 と言う言葉は呑み込んで、メルキオレルはドレッサーの鏡越しにきょとんと目を瞬かせてきたルカの瞳から視線を外し、髪の方へと集中した。「ピンと紐で固定するっつっても、ンなぎちぎちに引っ張ったりしねェから、力抜いて待ってろ。ちゃっちゃと終わらせてやる」 言葉通り慣れた手つきで髪を結いあげていくメルキオレルの手元を、ルカは鏡越しに眺めながら、素直に驚いた表情を見せてくる。「メルキオレルさん、こういうこと慣れてるんですか?」「あ? んー……まァな」 それはもちろん、レオハルトの髪をいじっていたからだ。 期せずして思い出すことになった弟の影に、未だ心の奥が鈍い痛みを訴える。 同時に、『種火の末路』を思い出した。 ……ルカをあんな目に遭わせるわけにはいかない。絶対に。 改めて自分とルカが関わりを持つ危険性を自覚しながら髪を結い終えると、ルカから痛いほど染みる忠告を受けた。「ワタシはメルキオレルさんの人形じゃないんです。そういうことは、きちんとしたお相手にしてください。誰にも彼にもこういうことをしていると、お相手に誤解されて、うまくいかなくなりますよ」 本当に、まさに今がその状況だ。 誤解ばかりされて、なに一つ上手くいかない。 だがきっと、それで良いんだろう。なに一つ上手くいかない方が、ルカの未来のためなのだ。「返す言葉もねぇよ」 痛みを訴える想いを飲み込んで、メルキオレルは苦く笑った。 ※ 迎えに来たプラナとアルファと共に大食堂へ向かうと、プラナは自分の見習い魔工師時代のポカ話をしてはルカを笑わせ(時に苦笑させ)、ルカから魔工技師に関しての話を聞いていた。 最初は緊張していたルカも、気取らないプラナの影響が良い具合に作用したのか、段々と肩の力を抜いてその場を楽しむようになっていた。 そうして珍しく何事も無く、平穏に食事の終わりを告げるデザートへ手を付ける頃。早々に平らげてコーヒーを啜っていたメルキオレルは、見事に台風の暴走に巻き込まれた。「そうそう、昔こんなコトもあったわよね。ナイルの友達の子供が流行病で倒れて、治しに行ったの」「 ―― ゲフッ」 油断していただけに地味に気管でむせ込んだメルキオレルは、ナプキンで口元を覆いながら身体を震わせた。 その間もプラナは着々と話を進めていく。「そしたらその子、ナイルのことをとっても気に入っちゃって。いつか自分も魔工師になって、ナイルをパートナーにするんだって言ってたわ。でも残念なことに、その子には魔工師になる素質が備わっていなかったから。今は魔工技師になって、頑張っているみたいなんだけど」「へぇ……」 ルカは気の無い返事をしていたが、そんなの関係ねぇ。このハタ迷惑な台風女、今この場でシメる。 と半ば本気でテーブルに手を掛けたところで、斜め左に座るアルファにテーブルクロスの下で足を踏みつけられた。「アルファ、テメェ……!」「話は後だ。今は耐えてくれ」「はァ!?」 無声音のやり取りの間も、プラナとルカの話は続いていた。だがアルファは表情一つ動かす事無く、静かに紅茶を飲んでいた。「メイは?」「え?」「貴女はどうして、魔工技師になろうって思ったの?」「え? えっと、ワタシは……きっかけは、思い出せないです。ワタシ、昔は結構病弱だったから。よく高熱を出して寝込んだりしていて、記憶は曖昧なんです。たぶんワタシの体質改善、みたいな部分もあるんだと思うけど……」 そう言って沈んだ表情をするルカと同様に、思わず耳を傾けていたメルキオレルも苦い表情になる。 やはりあのヘビの記憶すら、ルカの中には残っていないらしい。 ルカに無理を強いるばかりで報いてやれなかった自分の、選択の代償かもしれない。だが目の前でその事実を突き付けられるのは痛かった。 微妙な沈黙が落ちた席で、ルカの不自然に明るい笑顔が浮いた。「今は純粋に、魔工を学ぶことが楽しいから。ワタシも、プラナさんたちのような魔工師になりたいと思ったこと、あります。でも今は魔工技師になって、魔工の魅力に触れられて、良かったと思ってます。もっともっと、魔工を研究していきたい」「ねぇ、メイ。それって……」 ―― それ以上はお前が言うな。 プラナの口を止めるために立ち上がりかけたメルキオレルは、突然割り込んできた声に出鼻をくじかれた。「素晴らしい!」 メルキオレル達の席のそばへ、いつの間に近付いていたのか。そこには初老の男が笑みを浮かべて立っていた。 メルキオレルに面識は無かったが、ルカが驚いた声で男の声に応える。「バンフォーテンさん?」「また会ったね、メイ。魔工の楽しさ、それを純粋に思う君は素晴らしい。これからも精進しなさい」「えっと……はい……」 戸惑ったように頷くルカに続き、プラナやアルファまでもが男に丁寧な挨拶をすると、男は去っていった。「……おい、今のは?」 テーブルの下でアルファの足を小突いて聞くと、アルファは少し驚いた表情で男を見送りながら応えた。「ロンドニー=バンフォーテン=グランダル。現魔工技師連盟の会長だ。まさかルカがあの方と面識があるとは思わなかった」「はーん……。 ―― で、さっきは何で止めやがった。あのKY女、一回シメにゃ気が済まねェ」 メルキオレルがアルファを鋭く睨み据えると、メルキオレルの殺気に微かに眉をしかめながら、アルファが溜息を吐いた。「……大賢者から、ルカの記憶の情報収集に関して指示を受けている。君が過剰な反応を示す事は分かっていた。だから僕は、君のいない場所でルカと接触を図って聞くべきだと言ったんだが。どうやらプラナは、君も立ち会うべきだと考えたらしい」「…………」 サーベンスと接触した一件で、ルカの記憶の一部が飛んだことを踏まえての情報収集なのか。確かにアルフレッドは、ルカの件を調べると言っていた。 だが使い魔だけでなくアルファやプラナを利用するあたり、色々な意味で容赦がないと思った。「……アルファ。お前も台風娘やら魔工師協会問題やら抱え込んで大変だっつーのに、あの腹黒賢者にまで目ェ付けられて、結構な不幸体質だな」「恐らく君にだけはされたくない同情だろうな」 同族相哀れむと言う言葉を想い浮かんだのは、メルキオレルだけではないはずだ。 その証拠に、アルファはメルキオレルを一瞥(いちべつ)すると、どこか遠い目で深く長い溜息を吐いていた。http://www.hermes.marinershomeschool.com「……テメェ、一瞬バーサク化しやがったなこのヤロウ……ッ」 メイの扮装で通すつもりじゃなかったのかよと内心で毒吐いたが、プラナへの弁解で心身共に慌ただしいルカの耳には、声に出していたところで届きそうにはなかった。 アルファと共に顔を出してきたプラナは、どうやら本当にルカを遊びに誘いに来たらしい。船内を軽く廻った後、夕食の約束を取り付けて戻っていった。 ルカは持ってきた荷物の中にそれなりの服も用意していた。アルフレッドから強制的に持たされたのだろうが、夜会用の服も準備されているようだった。vivienne westwood 時計 当然メルキオレルは着のみ着のまま乗り込んだため、そんな準備は無かった。 ……のだが。 ためしに開いた船室のクローゼットからは、何故か長身体躯のメルキオレルにあつらえたような服が、各種揃って納められていた。 確かここは、元々アルフレッドが泊まる予定だった場所だ。にも関わらず、始めからアルフレッドの体型には合わない服が揃えられている。 確実に黒い意図がうごめいていると確信して、気分が悪くなった。 とりあえず不本意ながら、用意されていた夜会用の服に着替えた。いけすかない大賢者の姿を思い出して顔をしかめながらリビングへ戻ると、しばらくしてルカもリビングへと顔を出してきた。フェラガモ 財布
 普段の男装で暴れ回るルカも可愛いと思うことはあるが、やはりこういう恰好をしているルカを目にすると、ことさら気分が良い。 どうやら自分は、女らしい姿に惹かれると言う性質(たち)らしい。 どうせならもっと間近で堪能したいと欲の出たメルキオレルは、部屋に戻ろうとするルカを引き留めた。「お前ンな格好したんなら、どーせなら頭もどーにかしろよ。勿体無ェだろ」「は? も、もったいないって……? ちょ、ちょっと……!」 驚くルカの腕を有無を言わさず引き、リビングにも備え付けられているドレッサーの前へ強制的に座らせる。vivienne バッグ
 これまた用意の良い櫛(くし)や髪飾りを物色して、ルカの髪に手を掛けていく。「わっ!? や、やだっ、ダメ……っ、メルキオレルさんっ!」 黒髪のカツラがずれる心配でもしているのか、ルカが頭を押さえて、フルフルと懸命に首を振ってくる。 赤らんだ顔と潤んだ瞳、そして切羽詰まったように発せられた言葉が、強力な破壊力を秘めていることに気がついていないらしかった。「……お前、髪結うだけだってのにンな反応するんじゃねェよ。妙な気になってくるだろーが」「妙って?」longchamp バッグ
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